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脚本術・シナリオ入門語録 ピックアップ

脚本術・シナリオ入門語録 ピックアップ

シナリオの参考書・入門書などに書かれている脚本術に関することや印象に残った言葉を出典と共にピックアップしています。
脚本の本質は、映像を扱うという点にある。ストーリーを語る会話とト書きが、劇的な構造を持つ文脈の中に、映像によって配置されたものであると言えよう。これが最も重要な本質である。なぜなら脚本は、映像で語られるストーリーだからだ。

出典:シド・フィールドの脚本術

どんな脚本も主題(テーマ)を持っている。主題とは、アクション(行動)とキャラクター(人物)だ。脚本を書く上で、まずドラマの前提を捉えることは必要不可欠である。それが脚本の出発点だ。そして、どんなストーリーも『発端』『中盤』『結末』を持っている。

出典:シド・フィールドの脚本術

《魅力的な登場人物を作るための4つの要素》
①登場人物は強力ではっきりとした『ドラマ上の欲求』を持っていること。
②その人独自の考え方、ものの見方を持っていること。
③あるものに対する態度を体現していること。
④何かしらの変化や変身を遂げること。

出典:シド・フィールドの脚本術

創作技術指導の困難な理由のひとつは、否応なく人間の価値観の根底に関わらざるを得ないという点。作者が何を人生最高の価値と考え、社会の中のどの部分を愛し、誰のために働くのか。価値観の種類は作者の数だけある。この領域を技術から切り離すことはできない。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

《映像表現方法の会得と矯正》
シナリオを志す人たちに行う実習上の順序は次の2つから始めます。
①文学的表現の排除
②演劇的表現の排除
それらが排除されたあとに、映像的ドラマができるのだと思います。

出典:シナリオの技術

魅力的な登場人物が持つ「ドラマ上の欲求」は、1~2行で書くことができるようなものであり、会話のひとくだりで言い表すことができなければならない。ドラマ上の欲求とは、脚本の中で、その人物が手に入れたい、成し遂げたいと思っていることである。

出典:シド・フィールドの脚本術

「ドラマ上の欲求」によって登場人物はストーリーを通して突き動かされる。それが目的であり、使命であり、動機であり、モチベーションの元となる。これによってその人物は、物語上のアクションとして動かされてゆくのである。

出典:シド・フィールドの脚本術

会話は登場人物そのものである。登場人物を掴むと会話は流れるように書くことができ、ストーリーを自然に展開させていけるだろう。会話を書くことが苦手な人もいるが、会話を書くことはそれ自体が学びのプロセスとなる。書けば書くほど上手になっていく。

出典:シド・フィールドの脚本術

会話は2つの大きな目的を持っている。会話によってストーリーが前に進むということと、主要登場人物の情報を明らかにしていくということである。この2つのうち、1つでも達成していなければ、その会話部分は不要である。

出典:シド・フィールドの脚本術

拙いシナリオからは、どんな名監督の手にかかっても、良い作品は生まれない。徹底したディテールと構造の考察が、傑作を生むことを教えてくれる。

山田洋次

片々たる私生活雑記と、がっちりとしたストーリー構成を持つエンターテインメントは本質的に異なっています。それはシナリオや小説の創作が専ら頭脳の中だけの「情報」を素材とし、全く目に見えない心理的筋肉を働かして行う力仕事であるためと思われます。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

すべての作業とリサーチと準備と考えた時間は、登場人物像構築に反映され、そのキャラクターは本物で、リアルな状況下のリアルな人間になる。それこそが、登場人物の構築である。

出典:シド・フィールドの脚本術

プロットじゃない、構成じゃない、キャラクター造型でもない。最後までのめりこませる物語を書くのに一番大事なのは「感情」なんだ。

出典:「感情」から書く脚本術

『スター・ウォーズ』には、フロイト。
『ハリー・ポッター』には、アドラー。
『スパイダーマン』には、ユング。
名作の鍵は心理学にあった。脚本家にとって魅力的な物語を作り出すためには、まず「人間の行動」を理解する必要がある。

出典:脚本を書くために知っておきたい心理学

リアリティがあれば作品の説得力となる。
「例えば、象が空を飛んでいると言っても人は信じてくれないだろう。しかし、4257頭の象が空を飛んでいると言えば、信じてもらえるかもしれない」(ガルシア・マルケス)
フィクションとしてのシナリオ、物語とは、嘘の話をいかに本当っぽく語ってくれるかで、上手に嘘をついてくれた作品こそが「面白い」「説得力がある」ということになる。やはりプロは嘘のつき方がうまい。

出典:シナリオの書き方

《キャラクターに魅力を与え感情移入させる》
①表と裏の顔の描き分けでドラマチックなシーンとなる。
②フィクション上の魅力と実生活での魅力とは一致しない。
③魅力的な人物を造形したら、あとはいかに戦わせるか。
④脇役は具体的な個性を強調することで描き分ける。

出典:シナリオの書き方

脚本を書くには2つの方法がある。1つは、アイデアを考えてそのアイデアに合うようなキャラクターを作る方法。もう1つは、キャラクターを先に作り、そこからドラマ上の欲求、アクション、そしてストーリーまでも導き出す方法である。

出典:シド・フィールドの脚本術

脚本を書き始める前に結末を知っておかなければならない。ストーリーの終わり方、オチの付け方が大切だ。「結末はストーリーを書くうちに決まる」という人もいるが、映画脚本ではそうはいかない。なぜなら、110ページそこらでストーリーを語らなければならないからだ。

出典:シド・フィールドの脚本術

何か料理を作る時、ただ単にキッチンへ行き冷蔵庫の中にあるものを一緒くたに鍋に入れて、何ができるのか分からないまま料理はしないだろう。キッチンへ行く前に何を準備しなければならないか決めるはずだ。そして準備が整ったら、あとは料理をするだけだ。

出典:シド・フィールドの脚本術

ビリー・ワイルダーはかつて言った。「もしエンディングに何か問題を感じたら、その答えは映画の始まりにこそある」と。強力なオープニングを書こうと思うのなら、エンディングを分かっていなければならない。そのことは、おそらく人生のほとんどのことにも当てはまる。

出典:シド・フィールドの脚本術

脚本を書き始める前に考えるべき4つのことがある。
①エンディング
②オープニング
③プロットポイントI
④プロットポイントII
この4つである。しかもこの順番である。これらの4つの要素は脚本の基本であり、土台なのである。プロットポイントとは、ストーリーのアクションを加速させ別の方向へと行き先を変えるような事件、エピソード、出来事のことである。

出典:シド・フィールドの脚本術

プロットポイントの機能は、ストーリーを前に転がす役目である。プロットポイントIとIIはストーリーのポイントであり、脚本のパラダイムの形を保つものである。プロットポイントは、いわばストーリーラインの錨である。

出典:シド・フィールドの脚本術

120ページの脚本のストーリー構成例/全体のパラダイム(シド・フィールドの脚本術)

出典:シド・フィールドの脚本術

シナリオや小説を書こうとする時、頭の中では「こうしたい」「こうあるべきだ」という非常に強い力が働いている。一方、他者の側からは「いや、現実にはこうだ」という同じような強い反駁が提出される。創作は、この2つの正反対の力の衝突と葛藤の中で進んで行く。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

作家というのは、自分が良い子になろうとしては決して成り立たない因果な商売です。人間の中の「抑圧された、暗い、放恣な部分」を白日の下に引きずり出して来なければ殆ど仕事にならない困った稼業です。「天使」の創造には「悪魔」の協力が不可欠なのです。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

創作の仕事には、自分の中の抑圧された「悪の部分」を解放し、協力させることが必要です。自分の「低く、醜い部分」を挙げて作品の中に投入しなければなりません。自分の「高い部分」だけを使ってすぐに良い子になろうとするとロクな作品が生まれません。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

良い脚本を書くために最も大切なことは、良いドラマの根本が葛藤であることを理解することだ。葛藤なしにはアクションは生まれない。アクションなしにはキャラクターは生まれない。キャラクターなしにはストーリーは存在しない。ストーリーがなければ、脚本は書けない。

出典:シド・フィールドの脚本術

葛藤には「反対」という意味も含まれている。つまり、すべてのドラマ上のシーンは、あることに対して考え方などが正反対同士の人物を創り出すところから始まるのだ。葛藤はどんなものでもよい。それが心情的もしくは身体的、精神的なものであるかは問題ではない。葛藤からストーリーが生まれるのだ。葛藤があるからこそ、強力なアクションと、強烈なキャラクターが生まれる。葛藤が十分に強くなければ、退屈な脚本を書く泥沼にはまってしまう。

出典:シド・フィールドの脚本術

心理学者ウィリアム・ジェームズの云うように、人は悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのです。感情表現を初めから的のように狙った場合、感情は死んでしまう。むしろその直接法を捨て人物の行動の創造に絞れば、生きた本物の感情は結果として現れるでしょう。
性格があって行動があるのではなく、行動があった結果として性格がある。作者はまずその人物独自の「行動」の創出にこそ力を尽くすべきで、「性格描写」などという紛らわしいものを初めから追いかけたりするべきではない。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

一本のドラマは、一人の主人公が「超目標」を追及する「貫通行動」をバックボーンとして構成されます。世にグランドホテル形式と呼ばれる複数の主人公を扱うものもありますが、これはその舞台(ホテル等)そのものを一つの行為体=主人公として考えて良いでしょう。
ドラマの創作のためには、作者がその主人公になり、主人公の「環境」でその「超目標」を追及して実際に連続して行動することが絶対の基本になるのです。環境と超目標は、そのドラマの時間的空間的限界を決定します。
「作者の密室」で行われる「環境(社会枠→他者)」と「超目標(貫通行動→自己)」の衝突、そこにこそ千変万化のドラマを生み、万華鏡のような人間模様を展開する錬金の坩堝があるのです。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

《脚本に添える「人物表」について》
人物表は小説にはないシナリオ独特のルールです。物語の主人公が最初で、続いて副主人公、脇役、端役(チョイ役)の順に書きます。ただし、家族が出てくる場合などは、主人公とその家族、副主人公とその家族、というように並べて書く場合もあります。

人物表に書くのは物語の中で役者が実際に演じる人だけです。人物が誰かについて語る場合、その誰かが画面に登場しないなら人物表には書きません。ただし、回想シーンなどで亡くなった人などが登場する場合、役者が演じる訳ですから人物表に書く必要があります。

人物表はスタッフ、キャストのために便宜上書かれる、ということを忘れてはいけません。観客や視聴者は人物表を目にしないまま物語に入っていきます。ですから、人物表を書く際は脚本を読む人が最低限イメージできるように分かりやすく書く必要があります。人物名と年齢、職業や主人公との関係などを書くのはそのためです。例えば、

勝山金一郎(55) 金融業
勝山金一郎(25) 銀行員

では、同じ名前でも、年齢と職業で印象がずいぶんと違うことがわかります。

出典:シナリオの書き方

シナリオ創作の上での悪い例として「話がダンゴになる」というものがあります。これは話がそれぞれの単位行動の中で完結してしまい、全体として大きく盛り上がらない、まるで串刺しの団子のような印象になってしまうことです。
話がダンゴになってしまうのは、構成というものをあまりに単細胞に考え、その論理的構築に失敗した例で、全編をただ一つのクライマックスで統一することを忘れた悪しき例と云うべきでしょう。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

ドラマの構成単位を表す言葉で「シークエンス」というものがあります。これは、主人公がその中で単位行動を完結させる時間的な一区切り、長編小説の章のようなものです。通常、劇場用映画あるいは2時間のテレビドラマは、6~8個のシークエンスで成り立っています。
1時間のテレビドラマとなるとシークエンスは5~7個程度と考えることができます。この数については別に厳密な規約があるわけではなく例外も多いですが、この辺りがまずは人間の生理的条件に合致するものらしく、一応経験的に納得できる数と云ってよいでしょう。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

主人公の行動に詰まった時などは、逆に環境の側を動かしてみるのです。その環境の動きに対応して主人公の新しい発展の動きは期せずして生まれてくるでしょう。自分の頭の中の二つの対立する力(環境と主人公→前頭葉と脳幹部)を交互に、相互対話的に使うのです。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

クライマックスは、ドラマの中で作者が主題として提出したすべての問題が解決される部分です。とするならば、クライマックスで解決される問題(主題)のすべては、発端部に於いてすでに提出されていなければならないと云うことです。
ドラマの発端部では、まず主人公を超目標に向かって駆り立てる根本原因となる事件を主人公にぶつけ、主人公が全編に渡って行動を貫通する充分な「初速」を獲得することが必要です。それができると、背景や人物の説明などは結果として否応なくできるでしょう。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

脚本の長さを調整するために、自分が一番好きで思い入れがあるシーンをどうしてもカットしなければならない時がある。脚本に入れたいと思うかもしれないが、長い目で見れば脚本のために一番よい方法をとるべきだ。脚本を書く時は無情にならなければならない。
私は、脚本を引き締めるためにカットせざるを得なかった「ベストシーンフィルム」というものを持っている。

出典:シド・フィールドの脚本術

際立ちつつも効果的なシーンというものは観客の記憶に残る。よい映画にはこういった記憶に残るシーンというものが1つか2つあるものだ。これらのシーンは、ドラマ上の文脈の中で輝いている。印象に残るシーンとして、その映画のトレードマークになる。
自分が選択したシーンが効果的かどうかわからないときは、だいたいそのシーンはいらない場合が多い。必要かどうか考えなければいけないシーンは、必要ないことが多いのだ。必要なシーンは自然とわかってくる。自分を信じることだ。

出典:シド・フィールドの脚本術

脚本を書くとは、言葉より沈黙が効果的であるということを発見しなさい。場面設定や、説明、ストーリーを転がすために何ページもの会話を書く必要は全くない。正しくシーンに入っていけば、たった数行でことが足りる。

出典:シド・フィールドの脚本術

「書くことは、書き直すことである」という格言があるが、この言葉は真実である。世に出すために送り付ける稿には三稿あり、一つ目は「ただ文字を書いただけの稿」、二つ目は「機械的な稿」、そして三つ目は「推敲された稿」である。

出典:シド・フィールドの脚本術

「どんな映画なの?」この質問こそ勝負を握る鍵であり、これこそが映画の全てを語る。「どんな映画なの?」にうまく答えられるかどうかに全てはかかっている。もし答えられなかったら、それで終わりなのだ。

「どんな映画なの?」という質問に、もしも一行で素早く、簡潔に、独創的に答えられたら、相手は必ず関心を持つ。しかも脚本を書き始める前にその一行が書ければ、脚本のストーリー自体もよくなってくるのである。

自分がいない場所でも、赤の他人をワクワクさせて、脚本を読んでもらうにはどうしたらいいか? それが脚本家の最初にすべき仕事だ。脚本の内容を一行で簡潔に説明できない、一行で読者の心をつかめないような脚本家のストーリーなんて聞くまでもない。

出典:SAVE THE CATの法則

「どんな映画なの?」この質問に答える一行はハリウッドではログラインと呼ばれており、良いログラインには皮肉が必要だ。予想不可能と皮肉は類義語で、この皮肉が「つかみ」となる。ログラインに皮肉があるかないかは、脚本に何かが欠けていないかどうかを発見するチャンスだ。

《ログラインの一例》
警官が別居中の妻に会いに来るが、妻の勤める会社のビルがテロリストに乗っ取られる。(ダイ・ハード)

《良いログラインに必要な4つの要素》
①皮肉はあるか?
②イメージの広がり(映画の全体像と可能性を想像させる)
③観客と製作費(ターゲットとなる観客や製作費が明確かどうか)
④パンチの効いたタイトル(ストーリーを象徴するような言葉)

出典:SAVE THE CATの法則

映画のアイデアなど何かを生みだすということは、新鮮なひねりを加えるということだ。平凡でないもの、伝統を超えて一歩前進したものを作るには、まずはそれまでの歴史や伝統をよく知る必要がある。特に自分の書きたい脚本と同じジャンルの映画は徹底的に知っておくべきだ。

名監督の作品はみんな引用できる。引用と言っても「セリフがそっくりそのまま言える」ということじゃない。「その映画がどう機能しているか、その仕組みを説明できる」ということだ。

映画というのは、感情を引き起こすために作られた複雑な機械みたいなもので、精巧なスイス時計のようにいくつもの歯車が噛み合ってチクタク動いている。これを部品に分解し、しかも組み立て直せるようにならなければいけない。

君が書こうとしている脚本は、必ずどこかのジャンルに入る。そして各ジャンルにはそれぞれ特有のルールがある。平凡ではない「同じものだけど、違った奴」を作るには、自分の映画のジャンルを熟知し、ひねりの加え方を学ぶ必要がある。それができれば、売れる可能性は高くなる。

出典:SAVE THE CATの法則

どこにでもいそうな奴がとんでもない状況に巻き込まれるというジャンルの作品は、自分にも起こり得ると観客が思うストーリーの1つだ。この手のストーリーをうまく展開するには、とにかく大問題と悪い奴が必要で、しかも悪者はできるだけ徹底的に悪くするのが鉄則だ。

出典:SAVE THE CATの法則

《主人公を作るための単純なルール》
①共感できる人物
②学ぶことのある人物
③応援したくなる人物
④最後に勝つ価値のある人物
⑤原始的でシンプルな動機があり、その動機に納得がいく人物

完璧な主人公は最大の葛藤をし、感情面での変化が最も大きく、誰もが応援したくなる動機を持っている。その動機が、生き延びること、愛する者を守ること、死の恐怖に打ち勝つなど原始的なものであれば必ず観客の心を掴む。さらに自分の身近にいるような人物であればなおさらだ。

出典:SAVE THE CATの法則

ブレイク・スナイダー・ビート・シート
《ブレイク・スナイダー・ビート・シート》
アイデアを売り込みに出かけるときは必ず事前にこのシートの項目を埋める。各ビートを埋めるための説明はわずか1、2行で充分だ。埋められない場合はまだアイデアが明確でない証拠だろう。そんな段階で売り込んでもすぐさま撃沈する。

出典:SAVE THE CATの法則

第一幕から第二幕へ進む第一ターニング・ポイントは、主人公がはっきりと明確な意思を持って次の段階へ進まなくてはいけない。主人公が誘惑に負けたり、半分騙されたりして、なんとなく第二幕へ進んではダメだ。自らの選択で、自らの意思で行動するからこそ主人公なのだ。

出典:SAVE THE CATの法則

一つのシーンに一つの葛藤を盛り込む。葛藤がない場合はそのシーンにふさわしい葛藤を作り出す。ではなぜ全てのシーンに葛藤が必要なのか? なぜ重要なのか? それは葛藤が原始的なもので確実に観客の関心を引きつけるからだ。人はもともと葛藤している人を見るのが好きなのだ。

出典:SAVE THE CATの法則

主人公は、観客が出会ってすぐ好きになり、応援したくなるようなことをしなければいけない。主人公が置かれた状況に観客が最初から共感できるように気をつけなければいけない。もし主人公がアンチヒーローだったり、バチが当たって当然のような人物だとしても。

悪い奴が主人公の場合には、敵役をもっともっと悪い奴にしてしまえばいい。これが黄金のルールだ。タランティーノは『パルプ・フィクション』でも冒頭のシーンでこれをやっている。こうすれば観客が気に入る人物と嫌う人物のバランスがとれて、主人公を応援したい気持ちになるはずだ。

出典:SAVE THE CATの法則

映画の登場人物はすべてストーリーの中で変化する、これが《変化の軌道》のルールだ。唯一変化しないのは悪役だけで、主人公やその仲間は皆大きく変化しなければいけない。『プリティ・ウーマン』はこの良い例で、登場人物全員の変化の軌道がはっきりと描かれている。

ストーリーとは変化を語るものだと言ってもいい。変化できる能力があるかどうかで人生の成功の如何が分かれる。善良な人は変化を前向きな力と捉えて受け入れる。悪い人は変化を頑なに拒み、変われずに自滅したりする。変化は良いことで、再生や新たなスタートを約束するものだ。

出典:SAVE THE CATの法則

全員が変化する脚本を書くときは常にポストイットにこのひと言を書いて目の前のパソコンに貼る。また書き始める前に、登場人物全員がどう変化するか、変化を起こすきっかけは何かをメモする。さらにどう変化したか、その軌道をボード上で確認する。これは絶対にやるべきことだ。

脚本家が必要とする道具の中で、紙、ペン、パソコンの次に重要な道具はボードと言えるだろう。ボードとは実際に書き始める前に自分の脚本を目で見るための道具で、シーン、ストーリーの軌道、アイデア、台詞、テンポなどをボード上で動かしながら試行錯誤して確認するものだ。

脚本を書き始めて迷子になったり、どこに行けばいいかわからなくなったら、ボードを見直そう。そうすれば正しい軌道に戻れる。脚本を書く際の最悪の事態とは、最後まで書き終わらないことだ。でもあらかじめボードで準備をしておけば、書き終わらないなんてことは絶対にない。

出典:SAVE THE CATの法則

良いアイデアが浮かぶと、つい固執して捨てられなくなることはよくある。良いアイデアも適量だったら効果的だが、多すぎるとロクなことはない。情報やアイデアを積み重ねても混乱するだけだ。脚本はシンプルなほど良い。

出典:SAVE THE CATの法則

脚本を書くということは、パズルを繰り返し解くようなものだ。練習すればするほど解くのが早くなる。ストーリーをしっかりと構成して「ジ・エンド」を最終ページに書き込むまでの作業を、何本も繰り返せば繰り返すほどスピードは上がってくる。

脚本を書き終えた後に重要なのは、自分の脚本を正直に評価して、問題個所をきちんと全部直そうと本気で思うかどうかだ。

出典:SAVE THE CATの法則

構成もOK、ストーリーもきちんと前進している。それなのに何か問題を感じるときは、主人公の行動力不足が原因の場合がある。つまり主人公がストーリーに引きずられてしまい、主体的に行動していないのだ。主人公は自ら率先して行動しなければいけない。それが鉄則だ。

主人公の目的はセットアップではっきりと提示されているか? 主人公の望みや目的は明確か? もし明確でなければ、まずそれをはっきりさせること。セットアップの段階で主人公の目的を明らかにし、ストーリーが進展する中で行動やセリフを使って何度も繰り返し提示すること。
次に何をしたらいいのかを主人公自身が考えているか? 主人公にとって何もかもが簡単にうまく行き過ぎている場合は、何かが間違っている。主人公は他人から運命を授かるのではなく、苦労して自らの力で運命を切り開かなければならない。

出典:SAVE THE CATの法則

出来の悪い脚本にありがちな問題点は、セリフでプロットを語ってしまうことだ。登場人物は君の召使いじゃない。あくまでも自立して生きている存在で、自分の目的があってシーンに登場し、自分の心の内を打ち明けるのだ。君の代わりに説明するためじゃない。語るな、見せろ。

現実の生活でも人間の本質は言葉よりも行動によってわかることが多い。だから良い映画ではセリフよりもストーリーを前進させる行動の中に情報が詰まっている。セリフではなく映像で表現すれば、登場人物の一番いい状態(彼らが行動を起こしている姿)を見せることもできる。

出典:SAVE THE CATの法則

《マスコミは立入禁止のルール》
『E.T.』にはテレビのレポーターなんか出てこない。状況としてはマスコミが押しかけて来てもおかしくないが、そういうシーンを入れると、映画全体の前提が崩れてしまうとスピルバーグは気付いたという。ETの存在が、家族や隣近所、そして観客の間だけの秘密になっているからこそ、映画全体がリアルに感じられるのだ。
もしマスコミを入れてしまったら、第四の壁を壊す(観客と舞台を分けるために、劇場の額縁舞台の下に垂らされた薄い幕を破る)ことになり、すべては崩壊してしまう。マスコミが入れば、夢の世界は壊れてしまうのだ。

出典:SAVE THE CATの法則

登場人物が多い場合、登場人物にはそれぞれ心に焼きつくような見た目の特徴が必要だ。しかもその特徴を繰り返し見せることで登場人物の印象が強くなり、記憶しやすくなる。松葉杖をつかせたり眼帯をつけるなんてバカバカしいと思うかもしれないが、これが案外効果的なのだ。

出典:SAVE THE CATの法則

出来事はいろいろ起きているのに面白くない脚本だと感じたら、それは単に出来事を追いかけて終わっている可能性がある。プロットは単に前進するだけでなく、進むにつれて速度や複雑さを増しながら、あらゆる側面を見せてクライマックスに到達しなければならない。

出典:SAVE THE CATの法則

良い映画とは「ジェットコースターに乗っているようなもの」とよく言われる。コメディーであれドラマであれ、肝心なのは観客を感情的にヘトヘトにさせることだ。観客は安全な環境で夢のような世界や感情を味わい、人生のちょっとした教訓を学びに来るのだ。

出典:SAVE THE CATの法則

ひとつのシチュエーションの中で、その作家でなければ出来ない唯一的な意味を持った行動を想像すること。作家の栄光はまさにそこにあるのです。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

ドラマ作りの第一着手は、まずそのドラマの背骨となる主人公を設定すること。次に、その人物の環境と履歴を具体的・創造的に構築することです。その作業の中で、作者の価値観と主人公の愛の選択をも含めた「超目標」が形造られます。

超目標を抱いた主人公を創造的な環境の中で自由に動かし、環境との相互対話の中から劇的行動を、ストーリーを作り出して行く。その超目標が達成されるかされないか、その最後の瞬間がクライマックスです。超目標はドラマ作りを統一する上で重要な位置を占めています。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

《ブレーンストーミングとKJ法》
シナリオの企画を求め、その細かいストーリー展開を探る時、ブレーンストーミングは極めて有効な方法となります。KJ法は、ドキュメンタリーやPRフィルム、文化映画などを構成する上で極めて有力で、直接役に立つ武器となります。

ブレーンストーミングにしてもKJ法にしても、現在ある観念や情報の組合わせを捨て、私たちの記憶の奥底に抑圧され、隠されている情報を引きずり出し、今までになかった情報の新しい組合わせを発見する。それこそまさに創造というものではないでしょうか?

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

創作の初心者のよくやるやり方は、自分の直接の生活体験や、身辺の出来事などをそのまま作品にしようとすることです。ところがやってみればすぐ分かることですが、これらは本人がどれほど面白い経験だと思っているにせよ、あまり面白い作品にはならないのです。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

初心者のシナリオではよく、主要人物周辺のA、B、C、D……といった端役に噂話をさせて、主要人物の性格やシチュエーションを説明するというケースが見られますが、これは説明や紹介の方法としては甚だ稚拙なもので、俗に「聞いたか坊主」の手法などと呼ばれています。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

脚本家が無責任に書いた一行が、小道具係や衣装係の誰かをキリキリ舞いさせることがあります。また、過剰な文学的叙述や個人趣味の押し売りも不要です。脚本家が本当に良い脚本を書くためには、映像製作の手順やメカニズムをよく識っていることが望ましいのです。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

シナリオは読物ではなく映像の設計図なので、人々に楽しんで貰うには映像化しなければ意味がない。シナリオを書く人は否応なしに巨大な現代資本とその回収システムの中に入って行かざるを得ない。すなわち、シナリオ作家はプロを目指し、またプロでなければならない。

多くの企画の中から実際に採用され、シナリオ化され、映像化される基準は何か? それはその企画がどれほどの利潤をもたらしてくれるかという見込みにあり、芸術的あるいは思想的価値といったものは、それらが商売に直結すると判断されない限り殆ど無視されます。

映像の製作は、脚本家を含めた集団の作業です。その集団は、芸術的あるいは道徳的動機ではなく、経済的動機(利潤追求)を動因として動いています。これは事の是非善悪ではなく、脚本家を取り込む一つの現実として、充分に銘記しておくべき点でしょう。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

脚本家を志す人は、一定のプロデューサーにつき、企画書の勉強をするのも良い方法です。企画書の中にはシナリオ構成の全てがあります。一編の映画の狙いを企画意図とストーリーの中に簡潔に纏め上げることは、ドラマの「核」が見えなくては出来る仕事ではありません。

出典:ドラマとは何か? ストーリー工学入門

映画の脚本を読むときに読者が感じる感情には3種類ある。つまらない、面白い、そして「ウオオッ!」だ。脚本家の仕事はこの「ウオオッ!」という反応を、可能な限り多くのページで発生させることだ。巧みに話を語りたければ、重要なことは読者を感情的に巻き込むことだけだ。

出典:「感情」から書く脚本術

水準以下の初稿を送りつけるのはやめよう。そんな脚本を手にどんなに待っていても、あなたが腕を磨くために小切手を切ってくれる人は現れない。あなたが全ページで感情のツボを突けるまで書き直し終わるのを待ってくれるプロデューサーは現れない。

出典:「感情」から書く脚本術

ハリウッドでは何を売っているのか。それは人間の感情だ。感情的体験を映画やテレビという形で綺麗に包装して販売し、年商1兆円を稼ぎ出しているのがハリウッドの正体だ。映画もテレビも「感情マシン」なのだ。

出典:「感情」から書く脚本術

脚本の技巧とは、ページ上で何をどう書くと、どういう結果がついてくるか理解しているということだ。言葉を操って読者の心に特定の感情やイメージを浮かび上がらせ、注意をそらすことなく、心を動かす体験を与えて満足させてやるという技術なのだ。

脚本の名手はこの技巧を使い、まるで手品師の手の動きのように巧みに言葉を操って観客の心に意図した感情を起こさせてしまう。物語の登場人物を全て完璧に把握しており、どのタイミングで何を感じ、何を望み、何を恐れるか、自分のことのように知っている。名手は偶然に頼らない。

出典:「感情」から書く脚本術

キャラクターの感情と読者の感情。この2つはきちんと区別して理解しておいた方が良い。理解していない脚本家は、登場人物を泣かせれば観客の憐憫を煽れるだろうと思ってしまいがちだが、それだけでは足りないのだ。心が震える理由がなければ観客は白けて飽きてしまう。

あなたが書いた登場人物が泣くかどうかは、あまり重要ではない。重要なのは脚本を読んだ人が泣くかどうかなのだ。ゴードン・リッシュ曰く、「大事なのは、読んでいるそのページで何が起きているかじゃない。読んだ人の心の中で何が起きたか。それが肝なんだ」。

原稿上の言葉で読む人の感情を掻き立てる。脚本を書くにあたってこれ以上大事なことはない。まず何より、あなたの脚本を読んでくれる人があなたの観客なのだという事実を受け入れよう。そして、読んでくれる人の心を動かさなければならないということも。

出典:「感情」から書く脚本術

成功を収めている脚本家は、誰かと対話しているということを強く意識しながら書く。脳内読者が常に自分が書いた言葉に反応しているのだ。脳内読者が感情的な反応を示してくれれば、どのような反応が期待できるか直感的に測れる。書くという行為は決して一方通行ではない。

腕の良い脚本家は、このやり取りを通して何が読者の劇的な反応を引き起こすか理解していく。理解したものを応用して、読者が釘づけになるような仕掛けを脚本の全体に施していく。つまり、読者に対して最上級のリスペクトを持っているのが最高の脚本家と言って間違いない。

出典:「感情」から書く脚本術

下読みが脚本を見送る最大の理由は、読んでいる途中で脚本の魔法が解けてしまったからだ。文字を読んでいることすら忘れてしまうほど物語にのめり込んで没頭して読む体験。時間も忘れて物語の世界に吸い込まれてしまう状態。それが失われた瞬間、下読みは脚本を見送る。

脚本家として大成したいなら、今より先を目指すのだ。初心者は書式やら形式にとらわれて大事なことを忘れてしまう。脚本は映画の設計図かもしれないが、どうせなら読んで楽しい設計図がいいに決まっている。思わずページを捲りたくなるように書くに越したことはない。

脚本家である以上、劇的に読者の心に触れるテクニックを常に探して、見つけたらそれを適用しなければならない。それ以上に重要なことなど、この世に存在しない。

出典:「感情」から書く脚本術

アイデアを面白くするために必要な要素は、実は2つしかない。最高のアイデアということならそう簡単ではないが、プロデューサーに真面目に読んでもらう程度に面白いアイデアなら、次の2つが不可欠だ。目新しくて見覚えがあり、しかも必ず対立を予感させるアイデアであること。

『ユージュアル・サスペクツ』の脚本が業界内を回っていたとき、誰もが「これはただの群像犯罪物ではない」と気づいた。驚くほど新鮮で、しかも安心できる既視感を伴っていた。さらに、あの鮮やかなどんでん返しのオチを見落とすスタジオの重役がいるはずもなかった。

物語に書かれる対立の内容は理解しやすいほど良い。誰が誰と何を巡って争うのか。読者の気を引く理由は何か。負けると何を失うのか。見送られる脚本のほとんどは、この対立が面白くない。読者はその対立がどのような結果に終わるのか知りたくて読み進めるのだ。

出典:「感情」から書く脚本術

小説家のスタンリー・エルキンは「私の場合、ロープの端にぎりぎりしがみついている人の話しか書かない」と言っている。もしあなたがまだアイデアを練っている途中なら、登場人物の仕事や行動の中で、起こり得る最悪の出来事が何か考えてみよう。

出典:「感情」から書く脚本術

対照的な登場人物という仕掛けは、2人組が活躍する作品でよく使われる。正反対の登場人物を2人創作し、無理矢理一緒に仕事をさせる、同居させる、旅行させる、場合によっては結果的に恋にすら落ちる。対照的な2人は何かと火花を散らすので心を掴みやすい。

出典:「感情」から書く脚本術

アイデアの独創性は、つかみ、仕掛け、捻りと言い換えることもできる。これがコンセプトが持つ訴求力の核なのだ。独創的なら訴求力も強い。私たちの遺伝子には、新しい情報を欲しがるような性質が刻み込まれているに違いない。目新しいコンセプトはその欲求を満たしてくれる。

物語のきっかけになる事件、つまり、その事件によって主な対立が明らかになり、主人公は問題を解決するしか選択肢がなく、後戻りできなくなるポイント。ここにつかみがあることも多い。きっかけになる事件は全ての問題の根源なのだ。どんな物語もこれがなくては始まらない。

出典:「感情」から書く脚本術

リサーチすることが好きな人も嫌いな人もいるだろうが、下調べを全くしない書き手は怠惰なだけだ。調べることは楽しいし、文章を書くよりずっと簡単だ。ネット検索だけでなく、外に出かけて人々に話を聞こう。世界観の全てを自力で創作しようとするよりいいだろう。

出典:人気海外ドラマの法則21

フィクションにも現実的な感覚が必要だ。危険な世界を描けば視聴者は「無事に逃げて」と思うし、エリートが物質的な成功を追い求める世界を描けば「そのうち破綻する」と思うものだ。人々が価値観を持っているようにドラマで描く舞台設定にも精神面、倫理面での軸が必要だ。

出典:人気海外ドラマの法則21

TVドラマの登場人物には「逆境+前向きなゴール」が必要だ。この陰と陽の引っ張り合いが葛藤を生む。葛藤がなければドラマもコメディーも生まれない。全てのTVドラマは「勝つか負けるか」が根底にある。

出典:人気海外ドラマの法則21

書き手のコンディションが佳境に達すると、登場人物がひとりでに動き、語るように感じるものだ。そうして書かれた脚本は読み手にも同じような感覚をもたらす。物語の世界にワープしたかのような臨場感を感じさせるのだ。

出典:人気海外ドラマの法則21

人との摩擦を避ける「いい人」はコメディーでもドラマでもパッとしない。心の中に矛盾を抱えた人が面白い。物語の中でその矛盾が揺さぶられると出来心や嫉妬、競争心やこだわり、欲やわがままが生まれて変化が起きる。そこから様々な表情が生まれ、ドラマが豊かになる。

出典:人気海外ドラマの法則21

キャラクターがたくさん出てくるドラマでは、家族に例える見方が特に役立つ。お互いの人間関係がどうプラスに出るか、マイナスに出るかに注目するといい。男性刑事のコンビが夫婦のように衝突したり、職場の同僚が兄弟のように嫉妬や小競り合いをしたりすることもある。

人間関係は鏡に似ている。僕たちは他人の中に自分を見るし、自分の記憶も投影する。赤の他人に父や母の面影を感じて過剰に反応することもある。家族の力学は水面下であらゆるシーンに影響を与えるのだ。優れたドラマの根底には家族的な構造があることを覚えておこう。

アメリカの長寿番組第1位は『ザ・シンプソンズ』だ。クレイジーでめちゃくちゃな一家だが、よく見るとやはり家族の力学が働いている。誰かが問題を起こすと必ず対立が起き、ストーリーが生まれるのだ。家族は無限の可能性を秘めた「ストーリー・エンジン」なのである。

出典:人気海外ドラマの法則21

僕らはみな強い面と弱い面を持っている。登場人物にも両方必要だ。心に迫る人物像を作ってエピソードへの共感度を高めるために、名作ドラマでは人物にとってのマイナス要素が色濃く設定されている。人の弱さは物理的、心理的な極限状態で浮上する。

《マイナス要素がある舞台設定例》
■生存に必要な物資や安全が確保できない『ウォーキング・デッド』
■囚われている/自由がない『プリズン・ブレイク』
■お金がない『ブレイキング・バッド』
■友人や家族の助けがない『ザ・シンプソンズ』
■時間がない『24 -TWENTY FOUR-』

出典:人気海外ドラマの法則21

記憶に残る人物は大きなギャップを持っている。『ブレイキング・バッド』のウォルターは末期の肺がんと告知され、家族の生活費を稼ぐために覚せい剤の精製を始める。内気で真面目な高校教師としての顔と、高慢な麻薬王としての顔とのギャップが強烈だ。

出典:人気海外ドラマの法則21

最大の長所が翻って最大の短所になる設定をせよ。相反する性質を1つの種に閉じ込めて、人物の中に埋めておく。プロットの合間に芽吹かせて内面の機微を描けば、目が離せないドラマになるだろう。

出典:人気海外ドラマの法則21

FBIの訓練生が単独で連続殺人鬼を追い詰める話を思いついたとする。特に目新しい要素はないが、収監された殺人鬼をもう1人加えて、訓練生の指導者として犯人逮捕を助けさせたら? 『羊たちの沈黙』のできあがりだ。アイデアをもう1つ足すことで新たな発想が生まれる。

出典:「感情」から書く脚本術

すでに公開済みの映画を選び出し、ジャンルや主人公の性別・年齢、環境や時代背景などを変えて考えてみる。性的指向や物語の視点を主役から脇役に変えてしまうこともできる。物語のある要素を変えてしまえば、コンセプトそのものが変わってくる。想像力を駆使して試してみよう。

出典:「感情」から書く脚本術

魅力的な人物たちの魅力的な行動にあふれる企画を思いついたら、その世界にどう切り込んでいくかが課題となる。誰の視点で世界を見るか、ということだ。

出典:人気海外ドラマの法則21

主人公には得るものと失うものが必要だ。ドラマは敵対勢力の出現で盛り上がる。時間のなさは特に役立つ。人物たちをよく見れば、常に時間に追われているだろう。

障害が大きければ、失うものもまた大きい。最も大切なものを危険に晒せ。それがなければ葛藤も起きず、ドラマ的なテンションも上がらない。コメディーでも同様だ。

出典:人気海外ドラマの法則21

テーマとは人物の行動に現れるメッセージのようなもので、作品に厚みや深みを与えてくれる。TVドラマではストーリーラインをまとめる働きもする。テーマがなければストーリーはバラバラだ。普遍の真理が根底にあってこそ全体にまとまりが生まれる。

テーマは力とも関係する。その力とは人間の精神力でもあるだろう。善は悪に勝つか、一人の力で周囲を変えることはできるのか。愛や共存することの意味などテーマになる話題は多い。作り手が全てを語ったら、後は見る人の解釈次第。テーマの捉え方は人生経験に影響を受ける。

出典:人気海外ドラマの法則21

物語の中に複雑な板挟み状態または解決不可能なジレンマがあったら、それは売りの1つになる。板挟みにあった登場人物が、同じくらい重要な選択を強いられたことで生じる葛藤。ハリウッドではこのような究極の選択を同名の映画にちなんで「ソフィーの選択」と呼んでいる。

出典:「感情」から書く脚本術

視聴者は「知らされたこと」よりも「まだ知らされていないこと」に興味を持つ。見る側に先の展開を予測させてから情報を明かし、プロットをひっくり返すのだ。

出典:人気海外ドラマの法則21

リサーチをし、古臭くならないリアルさを追求しよう。時代の感覚が大きくズレていなければ大丈夫だ。あとはドラマの面白さがものを言う。史実との違いを指摘する声は必ず出る。世の中すべてを満足させることは無理だと割り切ろう。

出典:人気海外ドラマの法則21

脚色は技術である。脚色するという動詞には「ある媒体から別のものへと置き換える」という意味があり、調整することによってきちんと何かに整合する能力のことである。どの素材を脚色するにしてもオリジナルの脚本を書くようにしなければいけない。

出典:シド・フィールドの脚本術

読めば興奮するような話を創造する最適な方法は、自分を興奮させることについて書くことだ。自分の本能に逆らってはいけない。自分がよく知っていることを書けというのが一般的な助言だが、私に言わせれば「自分の感情を刺激するもの、惹きつけるものを書け」だ。

出典:「感情」から書く脚本術

感情はジャンルを、年齢を、貧富の差を、政治的な境界を超えていく。ウィリアム・フォークナーも「何かを書くなら、人間性について書けばいい。この世でただひとつ、決して古びないものだから」と言っている。

出典:「感情」から書く脚本術

初心者は無視しがちだが、魅力的なタイトルをつけることであなたが書いた物語が相手の心に訴える力はより強くなる。脚本を読む前にまず目に入るのがタイトルなのだから、タイトルは読者の先入観を決定する。独創的なタイトルなら読者の好奇心を煽り、物語の中に誘い込める。

出典:「感情」から書く脚本術

医療ドラマは病院が主な舞台なので地域性はあまり問われない。『ER緊急救命室』『グレイズ・アナトミー』また『シカゴ・ホープ』も都市が題名についているが、みな他の都市に移しても展開できる。病院自体が小都市のようなものなので、院内で無限にストーリーを生み出せる。

出典:人気海外ドラマの法則21

何かを興味深くする方法の1つとして、究極にしてみるというのがある。最高、最大、最多、最悪、完璧。例えば、究極の鮫『ジョーズ』、究極の超人『スーパーマン』、最凶の夫『愛がこわれるとき』など。状況を極端に拡大してみることで興味深いアイデアが生まれる。

出典:「感情」から書く脚本術

TVドラマの人物には様々な個性や能力・得意分野がある。それによって対立が生まれ、複数の視点ができ、人物の違いが識別しやすくなる。特に刑事、スパイ、犯罪者、医者、弁護士などが登場する作品では人物の能力・得意分野が顕著に描かれる。

出典:人気海外ドラマの法則21

これから書く物語がどのジャンルに該当するかを選ぶのは、おそらく脚本を書き始めるにあたって最も重要な決断だろう。なぜ重要なのかというと、どのジャンルにも観客にとって認識しやすい感情が前もって梱包済みだからだ。

ジャンルというのは読者に確約されたある感情的反応を意味するものなので、その反応をどう起こすかは脚本家の腕にかかっている。だからこそ、どのジャンルにどのような感情的反応が期待されるのかを知っておく必要がある。そのジャンルの最高傑作と最低の1本を観て研究しよう。

出典:「感情」から書く脚本術

テーマによって脚本は普遍性を持つ。そして感情的に重要なものになる。優れた脚本と凡庸な脚本の差は、テーマの深さに現れることが多い。テーマがなくても娯楽性の高い脚本は書けるが、表面的な楽しさをなぞるだけで、作品を観終わった観客の心に何も残らない。

自分の書いた物語が読む価値のあるものかどうか自問するとき、登場人物を通じて何を伝えたいか悩んだとき、それはテーマについて考えるときだ。改稿を重ねるにつれてテーマが浮かび上がるという考え方もあるが、書き始める前にテーマを知っていれば時間の大きな節約になる。

ある脚本家が「テーマというのは憤る感情から始まる」と教えてくれた。ならば自分に尋ねてみよう。あなたは何について不公平だと憤っているのか。体の芯まで腹立たしく感じるのは何か。その憤りに火を点けるものが力強いテーマとしてあなたが書く物語の背景になる可能性は高い。

出典:「感情」から書く脚本術

ドラマの脚本において説教は嫌われる。なぜならテーマを教えようとしてお仕着せがましいからだ。言葉で教えるのではなく登場人物の行動を通してテーマを見せ、心でテーマを感じてもらうのだ。登場人物に「俺のメッセージを聞け!」などと叫ばせてはいけない。語るな、見せろ。

テーマは物語の背後で反響するべきで、最初から最後まで見えてはいけない。その最高の方法は、感情を通してテーマを伝えることだ。人は説教されても効率よく学ばない。感情的に巻き込まれたときに学ぶのだ。巧い映画は、観る者を感動させながら人生について教えてくれる。

出典:「感情」から書く脚本術

アリストテレスは、すべての芸術には2つの目的があると説いた。喜ばせることと、教えることだ。脚本家は、物語で喜ばせ、テーマで教えるのだ。

出典:「感情」から書く脚本術

一般的な脚本術は習得が可能だ。構成や言外の意味の持たせ方、セリフの書き方も練習次第で上達するだろう。だが、笑えるコメディーを書いたり演じたりする才能は生まれつきのものではないかと筆者は思う。笑わせ方の極意は教えられて身につくものではない。

出典:人気海外ドラマの法則21

結局、毎週面白いエピソードを作れる者が勝つ。ルールを破ったとしても、勝てば官軍だ。

出典:人気海外ドラマの法則21

テーマを上手に物語に滑り込ませる技として、主人公がたどる道のりにポジティブなものを浮き彫りにさせ、他方、敵役にはその暗い側面を背負わせるという手がある。つまり、肯定的なことは主人公を介して伝え、否定的なことは敵役を介して伝えるのだ。

出典:「感情」から書く脚本術

素人がやってしまいがちなのは、伝えたいメッセージのことを考え過ぎるあまり、一方的で偏ったものにしてしまい、結果として説教にしてしまうということだ。この欠陥を直すには、真実を伝えるのと同じくらいの熱量で、その真実の反対を提示することだ。

出典:「感情」から書く脚本術

《キャラクター造型に必要な5つの質問》
①この物語の主役は誰か【タイプ、特徴、価値観、欠点】
②何を求めているのか【欲求と目標】
③なぜ求めているのか【動機と必要性】
④失敗したらどうなるか【代償の大きさ】
⑤どのように変わるか【内面的変化の軌跡】

出典:「感情」から書く脚本術

主人公が誰か決まったら、そのキャラクターが次のどの型に当てはまるか考えてみる。「英雄」「普通の人」「負け犬」「罪深き者」の4つ。どの型も、それぞれ自動的に共感の感情を掻き立てるので、注意して選ぶこと。

「英雄」型の主人公は、読者に対して優位に立ち、読者に尊敬の念を抱かせる。完璧な人間ではないかもしれないが、自分の能力に自信があり、迷わず行動を起こす。相反する感情に悩んだり、自分を疑ったりもしない。読者が憧れる対象。

「普通の人」型の主人公は、読者と対等の関係を持つ。読者はこの型の主役に自分を映し見るので、共感が発生する。主役の欲求に共感し、主役が必要としているものも理解できる。主人公を普通の人にするときは、必ずどこかユニークで、複雑さを伴った人格にすること。

「負け犬」型の主人公は、読者に対して下位に立つ。ヒーローらしからぬヒーローであり、運が悪い。敵対する勢力に対して勝ち目がないので、読者が守ってあげたくなるような存在。この型の主人公は、読者に次の3つの感情を巻き起こすので心を掴みやすい。同情、称賛、緊迫感だ。

「罪深き者」型の主人公は、アンチヒーローで読者とは正反対のタイプ。人間性の暗い側面を代表するような人物。行ってはいけない道を選び、悪いことでも平気でやり、道徳に反発する勇気などが魅力的に映る。読者に好かれるようにするには何か尊敬に値する特徴を与えると良い。

出典:「感情」から書く脚本術

人の心には感情的、心理的、知的な層があって立体的だ。主人公である以上、いろいろな特徴を持っていることが多い。できれば、陰、陽、中間と取り混ぜた特徴があるのが望ましい。善だけ、または悪だけというキャラクターでは現実味がないし、つまらない。

出典:「感情」から書く脚本術

素人の脚本によく見られる問題は、登場人物の話し方が全員同じに聞こえ、全員同じことをするように見えることだ。その人なりの物の見方、信条、態度、そして価値観をそれぞれの人物に与え、それをその人物の言動を通して見せるのだ。個性を確立してやることが解決の道となる。

出典:「感情」から書く脚本術

完璧なキャラクターでは信憑性がないし、感情移入できない。観客は欠点のあるキャラクターを見て、一体どうやって問題に打ち勝つのだろうと心配する。そこに緊張感が生まれ、心に訴える力も強くなる。欠点を乗り越えようと格闘する姿から感情的に突き動かされる瞬間が生まれる。

出典:「感情」から書く脚本術

TVドラマを名作にできるかどうかは登場人物に感情移入させられるかにかかっている。小さな希望や大きな夢、人生のアップダウンに視聴者は共感してくれるだろうか? ドラマの中の人物たちがあたかも友だちや同僚、家族のように感じられるかどうかである。

出典:人気海外ドラマの法則21

「それが欲しい」という気持ちが、脚本を引っ張っていく。欲求こそが物語の背骨。手に入れたい気持ちを阻むすべてのものが対立や確執を生み、感情を湧き上がらせる。どんな物語も必ず何かを手に入れたいと思っている人について書かれている。目標がなければ物語は成立しない。

そのキャラクターにとって大事なら、目標は何でも構わない。対立を解決すること。決断すること。挑戦を受け入れること。謎を解くこと。障害を克服することなど。ただし、映画というのは視覚的なメディアなので、目標は手にとれるようなもの、抽象的ではなく具体的なものが良い。

出典:「感情」から書く脚本術

あらゆる行動の理由として、動機がある。キャラクターがなぜそのような行動をとるのか腑に落ちたとき、あなたの脚本は読む人に深い満足を与える。それが物語の途中でも最後でも、同じことだ。

脚本家になりたければ、普段から人間行動を鋭く観察する眼を養うことが重要だ。動機と必要性ということを手っ取り早く理解したい人は、マズローの欲求段階説をおさらいすると良い。

出典:「感情」から書く脚本術

実は、キャラクターが必要とするものが目標と折り合わなくなった方が、物語は面白くなる。「あれが欲しい」と思う気持ちと「こうせずにはいられない」という気持ちにズレが生じて板ばさみになった方が面白い。

手に入れたいものと必要なものにズレが生じたことで、そのキャラクターは難しい決断を迫られ、結果として内面的成長を経験する。そして、観客や読者の心を掴む瞬間を生み出すのだ。

慣例的には、本当に必要なものを捨てて目標に手を出したら、悲しい結末を迎えることになっている。それが悲劇の構造なのだ。反対に、目標を捨てて本当に必要なものを選んだら、ハッピーエンドだ。

出典:「感情」から書く脚本術

《古沢良太氏のキャラクターの作り方》
大きなスケッチブックにこんな感じの人だという顔を描き、そこに思いつくままセリフやシーン、アクションなどをどんどん書き加え、その人物のダイジェスト版のようなものを作っていく。履歴書はほとんど作らない。

ドラマ史上最も○○なキャラクターという設定を考える。ドラマ史上最も性格の悪い主人公として『リーガル・ハイ』の古美門研介を作り、ドラマ史上最も無軌道な主人公として『コンフィデンスマンJP』のダー子を作った。

出典:新・週刊フジテレビ批評(2018/3/31放送)

主人公が手に入れたいものとその理由がわかったところで、今度は行動の代償について考える。代償、つまり何を得るのか、または失うのか。失敗したらどうなってしまうのか。成功したら何が変わるのか。ハリウッドではこの代償のことを「死の二択」と呼ぶ。

行動の帰結に何らかの代償がなければ、主人公が問題を解決するかどうかということに脚本の読者が関心を持てない。感情的に巻き込まれることなく、淡々と知的に文章を読むだけになる。払う代償が感情的であるほど読者は主人公の行動の帰結が気になり、目標達成を応援したくなる。

出典:「感情」から書く脚本術

主人公は待っていてはいけない。行動しなければならない。何かに反応するだけの主人公は嫌がられる傾向がある。受け身の主人公では心を揺さぶるドラマは生まれない。好まれるのは行動を起こすキャラクター。何かを待って反応するだけでなく、物事を前に進めるキャラクターだ。

出典:「感情」から書く脚本術

あなたが書く脚本の主人公に何らかの変化を経験させることをお勧めする。主人公が経験する変化は、内面的な欲求を満たすことや、目標達成の邪魔になる自虐的な欠点の克服であることが多い。変化は、身体的でもあり得るし、行動、心理、感情のどの形をとって現れても構わない。

変化はストレスを伴い、対立の種になる。変わるキャラクターがいる脚本は、読む価値がある脚本だと言える。それは、変わらなければならないほど重要な何かが起きる物語だからだ。人として成長するために必要な洞察が得られ、私も変われるかもしれないという希望をもらえるのだ。

出典:「感情」から書く脚本術

脚本の読者がキャラクターの言動を通してそのキャラクターの感情を体験できるようにするのが脚本家の仕事だ。キャラクターが何らかの選択や決断をするように仕向け、それによってその人物の思考の過程を見せるのだ。何を考えたか文字で説明してはいけない。語るな、見せろ。

出典:「感情」から書く脚本術

《キャラクターの人格や個性を見せる方法》
①人物紹介と名前
②対比(内面との対比、他者との対比、環境との対比)
③主役以外のキャラクター(他者にどう思われているか【噂話】、周囲の人にどう影響するか【人間関係】)
④台詞
⑤行動、反応、決断
⑥身振り、象徴、小道具

出典:「感情」から書く脚本術

人物が危機や驚きに遭遇したところで物語を中断することをクリフハンガーと呼ぶ。この手法は視聴者に「次はどうなるの?」と疑問を抱かせる。平たく言えば「うっそー!」だ。人物の内面の動きから自然に派生したクリフハンガーは最も効果的である。

出典:人気海外ドラマの法則21

《一般的なクリフハンガーの例》
①銃声が聞こえた場所に行くと人が死んでいる。死者の身元は不明のまま終わる。
②中心人物が瀕死の重傷を負う。一命を取り留めたのか没したのかは不明。
③事件が未解決のまま終わる。
④絶体絶命のピンチになる(敵に追い詰められたり自分の立場が危なくなるような事件が起きたり)。
⑤敵の黒幕と出会う。だが視聴者には正体が分かる寸前で終わる(黒幕と対峙、「あんただったのか……!」、相手は後ろ姿等)。
⑥物語から消えていた登場人物が前触れもなく登場する(作中では死亡したと思われていた等)。

出典:Wikipedia

エピソードの終わり方がどうであれ、視聴者を惹きつける登場人物には共通点がある。問題に巻き込まれ、そこから抜け出そうとすることだ。

出典:人気海外ドラマの法則21

複雑で心を掴むようなキャラクターを創造する技巧の1つに、パラドックス、つまり逆説を利用するという手がある。キャラクター自身が抱える矛盾ということだ。ひとりのキャラクターに相克する特徴を与える。1つの体に複数の顔を与えてやるのだ。正反対ならなお結構だ。

出典:「感情」から書く脚本術

創り出すキャラクターは完璧でない方が良い。欠点によって真実味は増し、読者の興味も高まる。実際、欠点は何らかの葛藤を生むので、間違いなくキャラクターの強みよりも面白いのだ。特に恐れの感情はキャラクターを逡巡させ、目標達成を困難にするのでより興味深くできる。

出典:「感情」から書く脚本術

物語の創造者として脚本家は何を明かして何を隠すかを選択する。そうすることで読者にもっと知りたいという強い興味を抱かせる。『カサブランカ』のリックの魅力があれほど巧みに維持されるのは、彼が過去に受けた何らかの災難がパリの思い出の場面まで仄めかされ続けるからだ。

出典:「感情」から書く脚本術

キャラクターが不可思議な行動をとったり、何かの話題を避けるようなことがあれば、読者は理由を知りたいと思い、何を隠しているのかと勘繰る。ある人物が主人公に対して謎の振る舞いをすれば、その人物は読者の知らない何かを知っているはずだから、読者の好奇心は刺激される。

出典:「感情」から書く脚本術

キャラクターを見た読者に「これは自分のことだ」と思わせる技はいろいろある。ありすぎるくらいあるので、ここでは3つに分けて紹介する。

①犠牲者が気になる。可哀想だと思わせる。
■身に覚えのない扱い、不当、不正義、不平
■予期せぬ不幸(悲しい運命、不運)
■身体的・心理的に不利な条件、健康や経済的な問題
■逃れられない過去の深い傷
■弱みを見せる瞬間
■裏切りと欺瞞
■本当のことを言っているのに信じてもらえない
■見捨てられる
■除け者拒絶
■孤独、無関心
■失敗と後悔
■怪我に苦しむ
■危機

②人間味溢れるキャラクターで共感を誘う。
■困っている人を助ける
■子ども好き、または子どもに好かれる
■動物好き、または動物に好かれる
■心境の変化、または許し
■命がけ、または自己犠牲
■大義のために戦う、あるいは死ぬ
■倫理的、道徳的に正しく、誠実で責任感があり、頼れる
■誰かを愛している(家族、友人、隣人)
■みんなに大事にされる
■独りでいるときに人間味を見せる
■優しい振る舞い

③誰もが望むような資質で憧れを持たせる。
■権力、カリスマ、リーダーシップ
■華麗な職業
■勇気(身体的、精神的)
■情熱
■能力、専門性
■魅力的
■賢い、ウィット、頭の回転が速い
■ユーモア、遊び心
■子どものような純真さ、または子どものような熱意
■身体性と運動能力
■粘り強さ(弱みがあっても努力してやり抜く心、根性)
■はずれ者、反逆者、奇人変人

出典:「感情」から書く脚本術

読者を泣かせたきゃ、まず作家自身が泣け。読者を驚かせたきゃ、まず作家自身が驚け。

ロバート・フロスト

物語というものの本質は「簡単には手に入らない何かを求めるキャラクターがいる」ということになる。この定義に当てはまらない物語は、ドラマチックな物語とは呼べない。

出典:「感情」から書く脚本術

すべての物語は、対立、あがき、解決という3つの要素から成り立っている。ある人に何かが起こる。結果として問題(対立)が発生するので、何らかの行動を起こして問題を解決しようと必死に奮闘(あがき)する羽目になる。最後にはうまくいくか、失敗して終わる(解決)。

出典:「感情」から書く脚本術



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